株式関係事務
(1)株式払込金の受入れと同保管証明書の発行
株式会社にあっては、株主の責任はその有する株式の引受価格を限度とする有限責任を負うにすぎないので(商法200条1項)、会社債権者にとっては、その債権の担保になるのは会社財産のみとなる。
そこで、商法では株式会社にその資産の目安として資本金額を公示させ、その額に見合う資産が実際に会社が保有すべきことを求めている。
これを資本充実の原則といい、会社を設立する場合あるいは増資する場合には、発起人や会社が自ら株式払込金の受入れをすることを禁止して、株式の払込が完全に履行されるようにするために、株式申込証には株式の払込を取り扱う銀行また信託会社およびその取扱場所を記載して(商法175条2項10号・4項・280条ノ6第1項5号.280条ノ14)、必ずここに記載された銀行また信託会社において株式の払込をなすことにしている(商法177条2項・280条ノ14)。
そして、払込を取り扱った銀行または信託会社は、発起人または取締役から請求があったときは払込金の保管に関する証明をすることとされている(「株式払込金保管証明書」の発行一商法189条1項)。
この場合、銀行等はその証明した払込金額について払込がなかったこと、またはその返還に関する制限をもって会社に対抗することができないことになっており(同条2項)、会社の資本充実のために銀行等に保管証明責任を負わせている。